タイムシフト

大げさかも知れないが、今日はタイムシフトを試してみた。何てことはない。いつもより朝2時間会社へ早くいって仕事をして、いつもより2時間早く帰った、というだけのことだ。

「朝残業」という言葉がある。この「朝残業」が僕はあまり好きではなかった。夜に残業すると会社が残業代を支払わないといけないから、会社のために、朝に残業するという、究極のサービス残業のイメージがあったからだ。

残業代も出ないのになぜわざわざ早起きして会社のために自分の時間を捧げないといけないのか?という感覚だった。またその行為自体が会社の為に自らを犠牲にしている偽善者のようにも思えたし、会社へこびへつらっている気もしていたから余計に嫌いだった。必要な残業は会社が支払うべきだし、わざわざ眠たい朝に早起きして仕事をする必要なんてない!という感覚だった。

それがモーニングノートを始めて朝の時間が大好きになった。今は早起きするのが楽しくて自分で自由に使える大切な時間だ。今日はたまたま必要な仕事が多くあったので2時間早く出社して仕事をすることにした。

そうして、せっかく2時間早く出社するなら2時間早ろうと。いつも2時間残業することが多いので、定時に上がれることになる。これがやってみると非常に効果があることが分かった。働いている時間は同じだ。でも定時に上がることは、残業が染みついてしまっている僕からすると非常に新鮮だ。

5月だと19時でもまだ外は明るさが残っている。そして家に帰るといつもなら寝る直前の子供がまだ夕食を食べている。妻の夕食もまだできておらず、時間が余ったのでいつもは夕食後に入る風呂に先に入ると夕食の時の気分が違う。いつも疲れて22時頃に変えるのと全然景色が違う。疲れ方も爽やかだ。

考えると「朝残業」という言葉が良くない。言葉のイメージというのは恐ろしい。自分から早く帰るために早く出社して仕事をするのは「残業」ではない。

「残業」という言葉はとても「やらされ感」が強い。言い換えるなら「朝仕事」だ。そこには主体性がある。2時間早く仕事に行くと、朝にできる仕事の内容が1時間早く出社する時と比べて格段に変わる。朝は頭もクリアで邪魔されることもないので集中力が高まっているし、仕事前なので良い緊張感もある。

そして周りよりも早く来て仕事をしているという優越感もちょっぴりある。そして早く帰るのも気持ちがいい。いいことしかないように思える。

なぜそんなにイメージが変わったのか不思議だが、昔の僕は結局食べず嫌いをしていただけなのかも知れない。言葉のイメージは怖い。何事も自分でやってみなければ分からない。今嫌だと思っていることでも、「これって、ひょっとすると、人から植え付けられたイメージなのかも知れない」と一歩引いて自分を見つめるきっかけにもなりそうだ。

これからの時代、実際に自分が体験(1次情報)が増々重要になってくるという話もある。すぐに情報にアクセスできる時代だからこそ、情報を疑い、自分で体験し、自分の五感を使って確かめることが重要だ。