会社、辞めます。

先日、直属の上司(Aさん)には今年いっぱいで会社を辞めます、と伝えたのだが、昨日は更に上の上司(Bさん)に伝えた。Aさんは僕の口からは言わない、と言っていたのだがやはりBさんには伝わっていた。Aさんは言うだろうなと予想はしていたが、予想は的中した。だが想定通り。特に問題はない。

Bさんは平静を装ってはいたが、やはり驚きを隠しきれない様子ではあった。一応引き止めようとはしてくれたが、僕の性格も良く知ってくれている方なので、言っても無駄だろうなという事も察している様子だった。一度会ってしっかり話を聞かせて欲しいと言われたので快諾した。

僕が転職するわけではないと言った時に、Bさんは???となっていて、理解できない様子だった。Bさんは僕より10個上なので55歳だ。会社を辞めるとなると、転職するか独立するという考えが一般的なので、無理もない。

今は色々な稼ぎ方があり、働き方が多様化しているとは言え、どっぷりとサラリーマン生活を送っている人にとってはそんなのは自分とは関係のない世界のことだと思っているのだろう。

自分でも普通にサラリーマンを続けていればそのような感覚になっていただろう。むしろその方が多数派なのだろうと思う。自分の感覚のほうがズレていることに気付いた。

Bさんは僕が株をしていることは知っているので、株で儲けてるの?とも聞かれたが、Bさんは投資をやっていないので、株についても恐らくギャンブル的なものだと捉えているのだと思う。

そもそもの前提が違うので、コミュニケーションギャップはあるだろう。いくら話しても理解はしてもらえないだろう。そこに関しては仕方ないと思うが、Bさんは会社でもかなり上の立場にいる人で、本社と現場との架け橋になってくれている人だ。おせっかいかも知れないが、今後の会社の在り方を考えるにあたって、Bさんが今の若い世代のことを理解することは大切なことだ。

僕は若くはないが、今の若い世代の考え方もある程度理解はしているつもりだ。上の世代の人と話していると、「そこじゃないんだよな~」と思うことが良くある。コミュニケーションギャップを埋める努力をしないと、若い世代は「言っても無駄」と諦めて静かに退職していくことになるだろう。そして、会社にしがみつかないと生きていけない人だけが会社に残っていく時代になる。そういう人しかいない会社は魅力的か?組織は上から腐っていくのだ。いい人がリーダーになって欲しい。今の自分より立場が上の人間を見ていると、皆会社人間で人間的魅力に欠ける人が多い。それも僕が会社を離れようと思った理由の一つだ。


“You are the average of the five People you spend the most time with.”

“あなたは、最も一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる”

Jim Rohn

これはアメリカの起業家のジム・ローン氏の言葉だが、環境を変えないと、自分の10年後は会社の上の立場の人間のようになる。

Bさんのことは嫌いではないし、人間的にはむしろ好きなタイプだ。だが、憧れの人、とは言えないのだ。僕にとってはBさんは昔から長い間直属の上司だった人だし、近くで見てきたので、会社に勤め続けた場合の10年後の自分を想像するのに丁度いい人だった。

そこに自分の未来はないと思った。コンフォートゾーンを抜け出さない限り、新たな自分には出会えない。